「このメガネ、もう10年使ってます」
胸を張っておっしゃる方がいます。物を大切にする、すてきなことです。
でも、メガネ屋としては、少しだけお伝えしたいことがあります。
そのメガネ、10年前のあなたの目に合わせたものです。
レンズは10年たっても度数が変わりません。
変わるのは、目のほうです。
視力は年齢とともに少しずつ変化します。特に40代以降は、手元の見えづらさが加わって、「遠くはいいけど近くがつらい」というアンバランスが起きてきます。
目は賢いので、合わないメガネでも「なんとか見よう」とがんばってしまう。
見えているつもりでも、目が無理をして見ている——これが、合わないメガネの怖いところです。
夕方の疲れ、頭痛、肩こり。原因がメガネだったという方は、珍しくありません。
目の変化だけではありません。
レンズのコーティングは、毎日の拭き取りや熱で少しずつ劣化します。細かい傷やコートのはがれは、白っぽいにじみやギラつきになって、気づかないうちに見え方の質を下げています。
フレームも、毎日かけ外しをすれば少しずつ広がり、ゆがみます。
ゆがんだフレームは、レンズの正しい位置を保てません。せっかく度数が合っていても、性能を発揮できないのです。
目安として、2〜3年に一度は見え方とフィッティングの点検をおすすめしています。買い替えの目安ではなく、点検の目安です。
メガネセンターでは、視力測定もフレームの調整・クリーニングも無料です。
点検の結果、「まだこのままで大丈夫です」と申し上げることも多くあります。むしろ、そのほうが多いくらいです。
無理にお勧めしないのが、私たちの「親切なメガネ屋さん宣言」ですから。
10年選手のメガネをお使いの方。
買い替えるかどうかは別として、一度「健康診断」だけ受けさせてあげてください。
メガネも、あなたの目も、きっと楽になります。