「遠近両用って、年寄りくさくて」
この言葉、店頭で何度聞いたかわかりません。
お気持ちは、よくわかります。でも今日は、あえて反対のことを申し上げます。
遠近両用は、我慢の限界まで待ってから作ると、いちばん損をするメガネなんです。
遠近両用レンズは、上のほうで遠くを、下のほうで手元を見る作りになっています。
視線の使い方に、ちょっとしたコツがいるレンズです。
老眼が軽いうちは、遠くと近くの度数の差が小さいので、レンズの中の度数変化もなだらか。すっと慣れる方がほとんどです。
ところが、我慢に我慢を重ねて老眼が進んでからだと、度数の差が大きくなり、ゆがみやユレを感じやすくなります。
「遠近両用は気持ち悪くて無理だった」という話の多くは、始めるのが遅かったケースなんです。
近視の方によくあるのが、「手元を見るときはメガネを外せばいい」という方法。
たしかに見えます。でも、一日に何十回もかけ外しをして、メガネを頭に乗せて、どこに置いたか探して。
その手間、この先ずっと続けますか?
スマホを見るたびに腕を伸ばす。レストランのメニューを少し離して読む。
思い当たることが増えてきたら、それが検討を始める合図です。
ちなみに遠近両用のほかにも、室内用・パソコン用など、暮らしに合わせた「中間の選択肢」がいろいろあります。遠近両用ひとつが正解とは限りません。
メガネセンターでは、視力測定と合わせて、ピント調節の状態も確認しています。
測ってみて、まだ必要なければ「まだ必要ありません」と申し上げます。
逆に、そろそろという方には、軽い度数から無理なく始める方法をご提案します。
大切なのは、見た目の問題ではなく、これから10年、20年のあなたの目の快適さです。
「年寄りくさい」と笑っていたメガネが、実は一番の若さの秘訣だった——そんなお客様を、私たちはたくさん見てきました。