「赤信号が、ふたつ重なって見えるんです」
「月を見ると、うっすらもうひとつ月がある気がして」
こうしたご相談は、日が短くなるこの季節に増えてきます。
夜の光は、昼間よりも見え方のずれを目立たせるからです。
ただ、ひとくちに「二重に見える」といっても、原因はひとつではありません。
まず確かめていただきたいのは、片目で見ても二重かどうかです。
二重に見えるものを見ながら、手のひらで片目ずつ隠してみてください。
このどちらなのかで、考えられる原因がまったく違います。
ご相談に来られるときも、どちらだったかを教えていただけると、とても助かります。
片目で見ても二重に見えるときは、目の中で光がひとつの点に集まっていないことが多いです。
考えられる原因は、おもに次のようなものです。
ひとつめは、乱視。
いちばん多い原因です。光が方向によって違う位置に集まるため、光や文字がぶれて見えます。
(乱視については、以前の記事「夜のライトがにじむのは、乱視のサインかもしれません」でも詳しくお話ししています。)
ふたつめは、メガネが合っていないこと。
度数が今の目に合っていない場合のほか、レンズのいちばんよく見える点が瞳の位置からずれている場合にも、ものがぶれて見えることがあります。レンズの傷や汚れも、光を散らす原因です。
みっつめは、目の乾き。
目の表面が乾いて凸凹になると、光が乱れます。まばたきをすると一時的に見え方が戻る場合は、乾きが関係しているかもしれません。
よっつめは、白内障の始まり。
目の中のレンズ(水晶体)が濁り始めると、光が散らばり、ものが二重、三重に見えることがあります。
片目ずつ見るとひとつなのに、両目で見ると二重になる。
この場合は、左右の目の向きが少しずれていて、脳がふたつの像をひとつにまとめきれていない状態です。
じつは、左右の目の向きが少しずれている方は珍しくありません。
ふだんは目の筋肉が頑張ってそろえているので、気づかずに過ごしています。
ところが、疲れているときや夜、長時間のパソコン作業のあとなどは、そろえる力が弱まって二重に見えることがあります。
このような目の向きのずれは、プリズムレンズという特殊なレンズを使ったメガネで楽になる場合があります。
ひとつだけ、必ずお伝えしたいことがあります。
両目で見たときの二重が急に始まった場合は、メガネの問題ではなく、脳や神経の病気のサインであることがあります。
次のような症状があるときは、メガネ店ではなく、すぐに医療機関を受診してください。
医師としても、これは強くお伝えしておきたいことです。迷ったら、まず受診してください。
少しずつ気になってきた二重の見え方は、メガネで楽になることが多いものです。
メガネセンターでは、専属医師が検査に携わる体制のもとで、度数だけでなく目の向きや目の状態も確認しています。
メガネで良くなる見え方なのか、医療機関で診てもらうべき見え方なのか。その見きわめも、私たちの仕事です。
検査は無料です。「信号がなんとなく二重に見える」という段階で、お気軽にご相談ください。