「せっかくだから、いちばん薄いレンズにしておいたほうがいいですよね?」
「薄いほうが、良いレンズなんでしょう?」
レンズを選ぶとき、こう聞かれることがよくあります。
薄いほうが軽そうだし、見た目もすっきりしそう。そう思うのは自然なことです。
でも、メガネ屋の社長として、正直にお伝えしたいことがあります。
薄型レンズは、すべての人に必要なものではありません。
レンズは、度数が強くなるほど厚くなります。
近視のレンズはふちが、遠視のレンズは中央が厚くなる作りです。
度数が強い方の場合、ふつうのレンズではふちがフレームから大きくはみ出したり、重くてずり落ちやすくなったりします。
こうした方には、薄型レンズがはっきりと役に立ちます。
見た目がすっきりするだけでなく、軽くなることで、かけ心地も変わるからです。
一方で、度数がそれほど強くない方の場合はどうでしょう。
もともとレンズが厚くならないので、薄型にしても、見た目や重さの差はわずかなことが多いのです。
差がわずかなのに、そのぶん値段は上がります。
それなら、そのご予算をほかのところに回したほうが、満足していただけることがあります。
たとえば、こんな使い方です。
「いちばん薄いもの」ではなく、「あなたに必要なもの」を選ぶ。
それが、私たちのご提案の基本です。
意外と知られていないのが、フレームの選び方でもレンズの厚みが変わるということです。
1つ目は、フレームの大きさ。
近視のレンズは、中心から離れるほど厚くなります。
大きなフレームほどレンズの外側まで使うことになるので、ふちが厚く見えやすくなります。
2つ目は、フレームの形と、目の位置。
フレームの中心と瞳の位置が大きく離れていると、レンズの厚い部分がより多く使われます。
顔の幅に合ったフレームを選ぶと、同じ度数でも厚みを抑えやすくなります。
3つ目は、フレームの種類。
ふちのないフレームや、下側にふちのないフレームは、レンズの断面が見えるので厚みが目立ちやすくなります。
反対に、しっかりしたふちのあるフレームは、厚みを目立たなくしてくれることがあります。
つまり、度数が強めの方でも、フレーム選びを工夫すれば、レンズの厚みが気にならなくなることがあるのです。
レンズの厚みは、カタログの数字を見ても、なかなかイメージしにくいものです。
店頭では、お客さまの度数と選んだフレームの組み合わせで、どのくらいの厚みになるかをご説明しています。
国家資格を持つ眼鏡作製技能士が、度数やフレームの形をふまえて、薄型にする意味があるかどうかを正直にお伝えします。
(レンズで値段が変わる理由については、以前の記事「メガネの値段は、どこで決まるのか」でもお話ししています。)
薄型レンズは良いものです。ただ、それが必要かどうかは、人によって違います。
度数が強い方には心強い味方ですし、そうでない方には、ほかに優先したいことがあるかもしれません。
メガネセンターでは、約60分の無料の検査とカウンセリングで、目の状態と暮らし方をうかがってからレンズをご提案しています。
必要のないものは、お勧めしません。
「薄型にしたほうがいいのかな」と迷ったら、そのままの疑問を店頭でお聞かせください。