「レストランのメニューが、暗くて読めないんです」
「昼間は平気なのに、夜になると新聞がつらくて」
日が短くなるこの季節、こうしたお話をよく伺います。
「もう老眼だから仕方ない」とあきらめている方も多いようです。
たしかに、老眼は大きな理由のひとつです。
でも、暗いところで読みにくい理由は、老眼だけではありません。
明るい場所では、目の瞳(瞳孔)は小さく絞られます。
瞳が小さいと、ピントが合って見える範囲が前後に広がります。
小さな穴からのぞくと、ぼやけたものが少しはっきり見える。それと同じしくみです。
ところが暗い場所では、光を取り込もうとして瞳が大きく開きます。
すると、ピントの合う幅がせまくなり、少しのずれでもぼやけて見えるようになります。
昼間は明るさに助けられて読めていた文字が、暗くなると急に読めなくなる。それは、このためです。
老眼は、手元にピントを合わせる力が年齢とともに弱くなることです。
40代ごろから、多くの方が少しずつ感じ始めます。
明るい場所では、瞳が小さくなる効果で、老眼の見えにくさが目立ちにくくなります。
そのため、暗いところで読みにくくなったことが、老眼の最初のサインであることもよくあります。
「昼間は読めるから、まだ大丈夫」と思っていても、じつは手元用のメガネがあると楽になる段階かもしれません。
暗いところの見えにくさには、ほかの理由が重なっていることもあります。
ひとつめは、白内障の始まり。
目の中のレンズ(水晶体)が濁ると、目の奥に届く光が減り、散らばります。暗い場所ほど、その影響が出やすくなります。
(白内障については、以前の記事「白内障は、ある日突然始まらない」でも詳しくお話ししています。)
ふたつめは、目の乾き。
文字を読むことに集中すると、まばたきが減ります。目の表面が乾くと、文字がかすんで見えます。まばたきをすると一時的に見え方が戻る場合は、乾きが関係しているかもしれません。
読みにくさは、明かりの工夫でかなり変わります。
年齢とともに、同じ文字を読むのに必要な明るさは増えていきます。
若いころと同じ明かりでは足りなくなるのは、自然なことです。
そのうえで、手元用のメガネを用意するのもひとつの方法です。
ただ、左右の度数の違いや乱視、瞳の間の距離は人によって違います。合わないメガネで無理に読むと、かえって疲れてしまいます。
次のような場合は、メガネで解決しようとせず、眼科を受診してください。
メガネセンターでは、専属医師が検査に携わる体制のもとで、度数だけでなく目の状態も確認しています。
メガネで良くなる見え方なのか、医療機関で診てもらうべき見え方なのか。その見きわめも、私たちの仕事です。
暗いところで文字が読めないのは、年のせいとあきらめる前に、確かめてみる価値があります。
検査とカウンセリングは無料で、所要時間は約60分です。
ふだん読みにくいと感じる本やスマートフォンを、ぜひ持ってきてください。
どんな場面で困っているかを伺いながら、本当に必要なものだけをご提案します。